森子物語/岩館真理子自選集 (5)

森子には夢がある。
大切な夢。
それは約一年後にかなう事になっている。

夜のお仕事をして子供たちを育
自堕落で家事の苦手なお母さんにかわって
いつも家をピカピカにして、ご飯の用意をして
弟たちの面倒を見てるのが森子だ。
こんな生活と自分の家族に嫌気が差して、いつかこの家を出てやる！！
と、それを心の拠り所にして生きてる。
そんな森子が好きな男の子が「東山くん」。
森子の夢はかなうのか。
恋は成就するのか…。

めっちゃ、真面目で頭の固い森子が面白いんだけど、
ちょっと切ないです。
「今の生活をぜーんぶ捨てて
　全く違う土地で
　新しく生きたい。
　家族も過去もありとあらゆるしがらみを捨てて」
そう思ったことはないですか？
私はある。
いつもそう思っていた。
（特に家庭的にモンダイはなかったが、思春期特有のアレ）
ので、この、森子の気持ちはよくわかる。

でもね〜
時々岩館漫画のヒロインが好きななる男の子に
ちっとも魅力を感じない時があるんだよね。
この東山君なんて最たる男の子。
どこがいいんだ？(笑)

コミック文庫には「夜汽車にのって」（これは森子の続編）
と「暮れ六つ時は銀の雨」を収録。
大人の作家に恋する、おマセな中学生のお話。
恋愛は実年齢じゃない！
精神年齢だ！って感じですね(笑)