わだつみのいろこのみや…
と、読みます。

父親の法事で12年ぶりに里帰りした寿子。
故郷で封印していた記憶の扉が開く。
なぜ、12年間も帰らなかったのか。
なぜ、自分の幼い娘に男の子のような服装ばかり着せたがるのか。
記憶が蘇るとき、我が子の身に恐ろしい事が起きる…。

嫌な記憶って削除したいものだと思う。
でも、忘れても結局自分に知らず知らずに影響を及ぼしている事もある…と、
過去とはきちんと向き合って、自分なりに決着をつけないと決して幸せになれないよ…ってことかな。
自分のせいで誰かが命を落としたとなれば
罪の意識も相当でしょうが
子供のときの記憶って、何所までが「実際」にあったことか分からないってところが、ミソですね!

「狐女」
きつねじょ…と読みます。
養い親が死んで、実の親元に帰ってきた「理」さとる。
そこで、自分の出生の秘密を知るというストーリー。
おりょーさまの描くこういうローティーンの男の子って
不気味なんですよね。
でも、この出生の秘密がまたエグイ!
この子の両親は「実の親子」だったという…。
こういう設定も結構多いです。

「籠の中の鳥」
トリといわれる一族、そのなかで「飛べない」トオル。
たった一人の肉親の祖母の死により
民俗学者の人見に引き取られる。
「トリ」とは身体の一部の不自由と引き換えに与えられた特殊な力のことだった。

実は篠田節子さんの「砂漠の船」を読んだ時、すこし、この漫画を連想しました。

人見のトオルに対する思いが優しく、トオルが人見へ抱く思慕が健気でいじらしい、特殊能力感動編。「白眼子」に、通じる物がある。

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